屋根の雪止め
日頃、じっくり屋根を見てみないと気づかない雪止め。
雪がそんなに降らない関東地方の平野部のお宅でもほぼ全て屋根の上に取り付けられています。
でもこの雪止めは取り付ける必要はないのでは?
そんな風に思われる方もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は、雪止めの役割についてお話ししていきます。
INDEX
1.雪止めの役割は?
2.雪止め設置のデメリット
3.屋根の雪止めの種類と既存住宅への設置費用
1.屋根の雪止めの役割は?
みなさんのご想像通り、屋根に積もった雪が一度に屋根から地面に落ちることを防ぐ目的で設置されています。
その重要な役割として、
◯住人や通行人の落雪による被害を防ぐ
◯隣家への落雪による被害を防ぐ
◯雨樋など外部に設置された設備の破損を防ぐ
以上大きく3つの役割があります。
雪があまり降らない関東地方においても、油断は禁物です
もしものことを考えると、雪止め設置は欠かせないものとなっております。
では、もう少し具体的にお話ししていきます。
屋根からの落雪による通行人への被害を防ぐ
普段見慣れない雪が降ると子供達は喜ぶでしょう。
そしてその雪は触るとすぐに溶けてしまうので、雪が危険なものとは想像もできないかと思います。
でも、朝晩の気温の変化により、溶けたり凍ったりを繰り返しやがて氷の塊となります。
まさか、屋根の上に氷の塊があるなんて想像つかないと思いますが、その氷となった雪が屋根の上から滑り落ちることがあるのです。
その時、屋根の下に通行人が歩いていて、巨大な氷の塊が通行人にあたってしまったら大怪我をしてしまいます。
屋根の下が道路に面していたり、家の玄関や普段住人が行き来している場所であれば必ず「雪止め」は必要になります。
もし隣家に屋根から落雪した場合、考えれること
都心で特に多く見かける狭小地のように、ご自宅と隣家が近いと自宅の屋根に積もった氷の塊が隣家に落ちてしまう可能性があります。
もし、そうなると
・大量に落ちた雪は誰が除雪するのか?
・隣家の庭に置いてある植木鉢や花壇などへの被害は?
・隣家の窓ガラスが破損する
・隣家の車のドアミラーなどを破損させる
など、気づかないうちに落雪してしまい破損させてしまう場合があります。
その原因となる積雪部分は見た目ですぐわかるほど、屋根からの落雪とわかるようなケースが多いです。
そうなると、隣家とのトラブルの原因にもなりかねません。
自然災害だから仕方がない言いたいところですが、もし雪止めが設置されていない場合はなおさら責任を追求されてしまうかもしれません。
雨樋などの設備を落雪から守る
屋根に設置されている雨樋は、そもそも強度の高い設備ではありません。
必要以上の負荷がかかると破損してしまう恐れがあります。
もし、雨樋が破損してしまった場合、大雪となるとそう簡単に補修とはいきません。そうなると雨樋がないために、外壁が汚れやすくなるので注意が必要です。
屋根の雪止めが不要な屋根はある、地域は?
毎年、大雪が降るような地域では、除雪の際に雪止めが邪魔になるケースがあるので設置しない場合が多いです。そもそも豪雪地域では雪どめぐらいでは雪を止められず、雪止めが破損してしまう恐れがあります。
中には、屋根の下に通路がない。隣家と密接していない殻などの理由で、雪止めを設置しない屋根もあるようですが、あまりお勧め致しません。
昨今の温暖化によりいつどこで、異常気象に見舞われるかもしれません。
その時に慌てて対策するよりも、事前に設置していた方が得策かと思います。
また、屋根材自体の強度が弱くて、屋根材同士が密着して設置されているアスファルトシングル屋根や、隙間が一切ない防水屋根などは、後付けでは対応が難しいので、新築時に雪止めを設置しておくのが一般的と言われています。
2.屋根の雪止め設置のデメリット
雪止めを設置するにあたり、メリットだけではないデメリットと注意点をお伝えします。
・雪止め設置工事だけだと請け負ってくれない業者がいること
・雪止めが原因で雨漏りするリスク
・屋根からの落雪を完全には防げないこと
・耐震性が下がる恐れがあること
上記のデメリットは、特に既存住宅に新たに設置する場合になります。
新築の時は設置していなかった。
でも、暮らしいてやはり雪止めの必要性を感じた時に知っておくことで、
ご自宅に適した雪止めを選べるかと思います。
雪止め設置工事だけだと請け負ってくれない業者がいること
普段から親しい屋根業者さんがいれば別ですが、新築時から初めて屋根業者さんを探すケースが多いと思います。
そうなると屋根工事業者が、雪止めだけの設置工事を請け負うことはなかなか難しいと思います。
もし、やってくれる施工業者がいる場合、コストをだいぶ上乗せしているかもしれないので注意が必要です。
そのような場合は、屋根の修理や、屋根塗装も同じタイミングで依頼するとスムーズかもしれません。
ただ、落雪による被害が考えられる状況であれば、迷わず早急に施工業者を探して依頼してください。
屋根の雪止めが原因で雨漏りするリスク
屋根に雪止めを設置する際、屋根が劣化していたり、設置業者の施工不良があると雨漏りする可能性があります。
ただ、一般的には適切な施工を行えば雨漏りの心配はありませんので、施工業者選びを慎重に行いましょう。
また、屋根材そのものを事前に点検しておくと、工事中の屋根の破損などは極力避けらるかもしれません。
屋根からの落雪を完全には防げない
例え、雪止め金具を設置したとしても、「完全に落雪しない」という保証はないので積雪時には注意しましょう。
雪止めの間から落下する危険性はありますし、金具よりも多く積雪した場合落雪の可能性はゼロではありません。
でも、雪止め効果はありますので、落雪防止対策としておすすめします。
屋根の耐震性が下がる恐れがあること
雪止めの設置ということは屋根の上に重量が付加されることになります。
雪止め1つの重量はいうほど重くはないものの、設置する個数によっては設置していない時と比べて耐震性が下がる恐れがあります。
3.屋根の雪止めの種類と既存住宅への設置費用
屋根に設置する雪止めは、屋根の種類によっても設置できるものとできないものがあります。
また、新築時に設置する「先付け」と既存住宅に設置する「後付け」に分かれます。
金具タイプ
一般的に多く見られる「雪止め金具タイプ」
スレート屋根や瓦、金属系の屋根などに取り付けられています。
中には、釘などで屋根材に打ちつけて固定する必要のないものありますので、既存住宅の雪止め設置の際にも適しています。
ネットタイプ
屋根材の種類を問わずに設置できるのが、「ネットタイプの雪止め」です。
このネットタイプの雪止めは、屋根の一部分にいわゆる金網を張ることで、積雪した雪との摩擦力を高め雪が落下するのを防ぎます。
ただ、なかなか目立つものになりますので、屋根の外観を若干損なうことは覚悟した方がいいかもしれません。
瓦タイプ
瓦タイプは、その名の通り瓦屋根にのみ使える雪止めにんあります。
必要な場所だけ雪止め瓦と交換できます。
雪止めが組み込まれている瓦を屋根に設置することで、金具を設置するより外観を損なわないということでよく設置されています。
雪止めの設置費用の目安
屋根の雪止め設置に必要な費用として、概ね30坪程度の住宅では10〜30万円が相場です。
ご自宅の屋根の勾配によっては仮設足場の設置が必要な場合があるので、仮設足場代としてプラス15〜30万円程度必要になります。
設置の費用は以下が目安となります。(仮設足場設置費を除く)
金具タイプ 10〜15万円(税別)
ネットタイプ 10〜20万円(税別)
金瓦タイプ 15〜30万円(税別)
ただ、中には雪止め金具設置のみの工事は請け負わない業者が多いので、
その場合は、外壁や屋根塗装などを依頼するタイミングで合わせて設置の相談をされるといいかもしれません。
4.雪止めの設置業者選びのポイント
今の時代、口コミで屋根業者を紹介されるケースもあるかと思いますが、
施工業者探しのほとんどがネットに依存されるかと思います。
そんな時、どうやって施工業者を探せばいいか悩みますね。
屋根の改修や外壁塗装の際も同じように、施工業者選びの際のポイントをお伝えします。
業者紹介サイトはお勧めしません
いざ、業者を探そうと色々なキーワードでネット検索してみると、上位表示されるのは業者紹介サイトが多いでしょう。
そのほとんどが「数社見積もりを取ること」そんな表記が目立つと思います。
確かにその点は正しいかもしれません。
ただその場合、本当に正しい表記は、「数社の紹介業者から見積もりを取ること」が正解です。
同じ業者紹介サイトから数社業者をされて、そこから1社選んだとしてもどこも同じように、紹介料が上乗せされています。
さらに業者紹介サイトでも紹介する業者の質は、サイトによってさまざま。
きちんと審査を行っている会社もいれば、業者と面会したこともない業者を紹介される場合があります。
ただ、塗装関連に絞ってみると、きちんと審査をしている業者紹介サイトが存在しているのかは未確認です。
また、紹介された業者からすれば、紹介料を上乗せすることで、見積もりが高くなり勝てないと考えた業者は安価にするでしょう。
安価にした業者はその安価にした分どうするかはみなさんのご想像通りかと思います。
今や屋根板金業界は人手不足と言われているほど、仕事があり施工業者が足りていない状況です。
そんな中でも、安価にしないと受注できないような業者さんの理由はなぜでしょう。
でも紹介業者はそんなところまでは確認・審査をしないで業者登録をします。
また登録業者の現場も見たことないのにどのように判断するのか疑問です。
口コミ?!であれば尚更信用できないですね。
そして、結果トラブルが起きても、紹介業者は紹介料だけもらうだけで何もしません。
というよりは、「できません」が正しい表現でしょうか。
もし、お金に余裕があり、業者を探すのが面倒臭い。
そんな方には業者紹介サイトをお勧め致します。
普段きちんと施工しており、営業対応の良い業者は、業者紹介サイトに登録する必要がないでしょう。
できればそんな業者さんに依頼したいものです。
屋根専門業者もしくは屋根板金職人が在籍している業者へ
本来、屋根の雪止めなどは屋根板金業者が専門としています。
ただ、屋根業者は、工務店やハウスメーカーの下請けを主としていて、一般消費者向けにはあまり知られていないのが現実です。
そのため、探してもなかなか探しきれないかもしれません。
でも、ここ最近は徐々に、屋根専門業者も消費者向けに営業を始めています。
そこでネットで検索する際は、屋根専門業者を探してみることをお勧めします。
また、そこで大事なのは、丸投げが多いこの住宅業界において、自社で職人を抱えている専門業者を選ぶことです。
そうすればメンテナンス時もスムーズでコスト削減にも繋がります。
屋根・外壁のお悩みは「塗り替え葺き替えのグラスビトウィーン」へ
地域に根付いて来年48周年を迎える町田市の「塗り替え葺き替えのグラスビトウィーン」は、自社で屋根板金職人と外壁塗装職人を抱える外装リフォーム専門店になります。
グループ会社では屋根材の販売も行っており、屋根材の仕入れから施工・メンテナンスまで全て自社で行っており、屋根・外壁リフォームを専門に徹底しています。
町田市をはじめ、横浜市、川崎市で屋根のことでお悩みの方は、経験、実績豊富な屋根外壁専門店のグラスビトウィーンにぜひご相談ください。